「せんぱ〜い」コンビニバイトでレジに立っていた僕は横から話しかけられる。そちらを向くと、同じくレジ担当のひとつ下の後輩、小崎琴音|《こさきことね》が話しかけてきた。彼女はいつも暇なときちょくちょく話しかけてくる。大抵は今ハマっている漫画とか、音楽などの他愛もない雑談だ。
「なんだい、今忙しいんだけど」
「何いってんです? 店中誰もいないっすよ。しかも先輩ぼーっとしてたじゃないですか」的確にツッコんでくる。
「冗談だよ。んで何?」
「クリスマス、空いてます?」その台詞を聞いて思わず身構えてしまう。
「何びっくりしてんすか先輩」
「いや……」僕は言葉に詰まる。これはどう答えればいいのだろうか。
来週のクリスマス。僕の予定はもちろん空いている。シフト的にもちょうど休みの曜日だった。
空いてる、といったら「じゃあ、一緒に過ごしませんか、暇なんで」と来るのだろうか。……それとも、「じゃあシフト変わってくれませんか、彼氏と過ごしたいんで」と来るのだろうか。
前者だともちろん嬉しい。だが後者だと……地獄だ。
バイト以外で彼女とは接点はない。同じ高校だけれど、学年が違うこともあってほとんど会うことはない。たまにすれ違う時、会釈や手を軽く振る程度だ。
彼女の性格はさっぱりとしていて適当に話しかけてくる。僕がバイトに入った当初はそのおかげで仕事を覚えやすくてたすかった。「こうすればいいっスよー」って感じで軽く教えてくれるし、わからないことも聞きやすかった。
少し悩み、正直に答えることにした。
「空いてるよ」さて、どうくるのだろう。
「え、ほんとですか? クリぼっちなんです?」と聞き返して来る。もしかして、と思ってしまう。
「本当だよ。クリぼっちだよ」一縷の望みをもってそう返す。
しかし、返ってきたのは予想だにしない言葉だった。
「ははっ、ウケる」
「なんだい、今忙しいんだけど」
「何いってんです? 店中誰もいないっすよ。しかも先輩ぼーっとしてたじゃないですか」的確にツッコんでくる。
「冗談だよ。んで何?」
「クリスマス、空いてます?」その台詞を聞いて思わず身構えてしまう。
「何びっくりしてんすか先輩」
「いや……」僕は言葉に詰まる。これはどう答えればいいのだろうか。
来週のクリスマス。僕の予定はもちろん空いている。シフト的にもちょうど休みの曜日だった。
空いてる、といったら「じゃあ、一緒に過ごしませんか、暇なんで」と来るのだろうか。……それとも、「じゃあシフト変わってくれませんか、彼氏と過ごしたいんで」と来るのだろうか。
前者だともちろん嬉しい。だが後者だと……地獄だ。
バイト以外で彼女とは接点はない。同じ高校だけれど、学年が違うこともあってほとんど会うことはない。たまにすれ違う時、会釈や手を軽く振る程度だ。
彼女の性格はさっぱりとしていて適当に話しかけてくる。僕がバイトに入った当初はそのおかげで仕事を覚えやすくてたすかった。「こうすればいいっスよー」って感じで軽く教えてくれるし、わからないことも聞きやすかった。
少し悩み、正直に答えることにした。
「空いてるよ」さて、どうくるのだろう。
「え、ほんとですか? クリぼっちなんです?」と聞き返して来る。もしかして、と思ってしまう。
「本当だよ。クリぼっちだよ」一縷の望みをもってそう返す。
しかし、返ってきたのは予想だにしない言葉だった。
「ははっ、ウケる」